大自然の魅力をたっぷり満喫できる裏磐梯高原の夏。
サイクリング、ハイキング、キャンプにと、
家族連れや気の合った仲間同士で高原はにぎわう。
日中の気温が30度以上になる日はわずか2、3日だけ。
下界の喧騒と仕事を離れて、思いっきりリフレッシュしよう。



湖と山が呼ぶ夏
 会津平野も田植えシーズンが終り、カエルの声が夜を賑わすころ、会津地方は梅雨期を迎えます。このころ日本の南海上にある小笠原高気圧から吹いてくる暖かい湿った南西の気流とオホーツク海高気圧から吹いてくる湿った北東の気流とが日本の南岸沖で触れ合って停滞するようになります。梅雨前線上の北側300km範囲内では曇りや雨の降る天気が続くのです。
 会津地方の入梅は平年で6月12日ですが、はじめのうちは、オホーツク海高気圧から吹き出すヤマセ風が山越え気流(フェーン)となるため、その影響は弱く、日中晴れることがありますが、裏磐梯では霧雨など降りやすくなるでしょう。本格的な梅雨は6月下旬から約1ヵ月ぐらいです。
 ときには太陽が顔をのぞかせる日が続くことがあります。これは「梅雨の中休み」といわれるものです。この中休みも長くはなく、7月中・下旬には梅雨前線の北上にともなって、雨の日が多く雨量は年間で7月が最も多くなっています。
 また、雨雲の底が抜け、バケツをひっくりかえしたような豪雨に見舞われることがあります。「集中豪雨」といわれ、梅雨末期に多く発生しています。会津若松市では、昭和31年7月16日、1時間雨量57mmが観測されています。
 大雨をもたらした梅雨前線は日本海上に北上、または南下して消滅することがあります。平年の梅雨明けは、7月20日でいよいよ盛夏期に入ります。新緑の香りいっぱいの山々、エメラルドグリーンに輝く湖水群、裏磐梯の大自然とのふれ合いは、あなたの心を楽しませることでしょう。
 会津の平野部では、日最高気温30℃以上の真冬日が30.3日もありますが、裏磐梯ではわずか2.3日といかに涼しいかがわかるでしょう。
 夏の強い日差しは、やがて、磐梯山や吾妻の峰々に、ムクムクと盛り上がる入道雲となります。これが裏磐梯の夏の風物です。
 このような時にできる雷は、「熱雷」といって、長続きはしないでしょう。一方、前線などによってできる雷は、「界雷」といい、また、熱雷と界雷の原因が重なって起こる上昇流によって発生する「熱界雷」は、規模が大きく、落雷をともなうことが多いので注意したいものです。
 雷雲の広がりは、だいたい20〜30km程の長円で、高さは、10〜20km程度でしょう。このなかで、強い雨の区域は、せいぜい直径約10kmの狭い範囲で、落雷は必ずしも強雨と同時ではなく、むしろ、強雨の前に起こるといわれています。
 日本をおおっていた夏の小笠原高気圧は、おおむね、10日ぐらいのリズムで、強まったり、弱まったりします。弱まったすきをねらって、ときには北方から寒冷前線が南下して、会津西北部から裏磐梯にかけて、局地的に大雨を降らすことがあります。
 しかし、8月半ばの旧盆のころになると上空には、早くも秋の気配が漂ってきます。
(裏磐梯自然ハンドブック/冨田國男・編/自由国民社より抜粋)