高原の秋は早い。8月下旬にはアキアカネが飛び交い、
色付き始めた紅葉は山頂から駆け足で下りてくる。
高原は、もみじ狩りのハイキングやドライブの行楽客でにぎわう。
空には真綿を引いたような筋雲が流れ、
村外れからは秋の収穫を祝う祭り太鼓の音が響き渡ってくる。
| 空には真綿を引き延ばしたような筋雲が見られます。賑やかだったセミの声に代わり、夜には寂しげなコオロギの声が聞かれるようになります。秋ですね。 このころは稲の花が咲いて、稲の結実には一番大切な時期です。ところが、台風が日本を襲うのもこのころで、 農家にとってはとても心配です。幸いなことに会津地方は太平洋側より台風による被害は少ないのです。 しかし、台風が会津地方をコースにとると、風雨ともに強く、山の風上側では平地の数倍という多量の雨が観測されます。平成元年8月6日、台風13号は磐梯山の東方を北上しました。このとき吾妻山の雨量は433mm、6日の一日だけでも330mmでした。 この雨は吾妻山系を源にする大倉川を氾濫させ県道橋を流し、死者不明11名という痛ましい犠牲者を出したことは記憶に新しいところです。 9月中旬から10月上旬にかけて、梅雨のころと似た、ぐずついた天気が続くことがあります。秋雨(秋りん)と呼ばれる季節です。このときの前線は「秋雨前線」といわれています。この前線による雨と台風による雨とが重なるときには、豪雨となり大きな被害をもたらします。 10月に入ると天気は周期的に変わるようになって、秋は日増しに深まっていきます。もう、中旬には日平均気温が10℃、日最低気温が5℃と、朝夕はめっきり冷え込むようになります。裏磐梯の山並は朱やだいだい色の錦絵のように色づき、自然は1年のうちでも最も多彩な表情を見せてくれます。吾妻連峰や磐梯山にも下旬には初冠雪があり、雪の季節が近いことを感じさせます。 |
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(裏磐梯自然ハンドブック/冨田國男・編/自由国民社より抜粋)
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