動物の交通事故と聞くといったいどんなイメージを思い浮かべるだろう。市街地では犬や猫、里山や山間部ではタヌキやイタチのほかにカモシカなどの大型の哺乳類がわれわれ人間社会の犠牲として加わってくる。事故の瞬間に立ち会うことはないだろうが、事故後の現場に残された轢死体、破裂した内臓や肉片、路上に広がった大量の血液を見つけて不快に思ったり、それらをよけて通ったという経験は誰にでもあるだろう。しかしそれらの感情は自分のペットが自動車にはねられたものとは違うし、ましてや人身事故とは大きく異なると思う。
原因に効率化や快適さを優先して直線化(スピード化)する道路や、周辺を囲む側溝やフェンス等の人工建造物。余りにも無神経な管理計画により道路わきに実の生る街路樹を植栽するなど、餌を求める動物達を道路に誘引してしまう。
このように動物達の死に少なからず人間が関与しているのであれば、私達はその命を守ることの責任を果たさなければならないと思います。動物達の目線で見て、そして考えてあげるとこ。『命を大切にする』この気持ちを全ての人達と共有出来る日を願って…。
自分の大切なものが冷たい物に変わっていく。こんなことのないように、少しだけスピードを緩めてみよう。ほんの少しだけ周りに気を配ってみよう。相手を思いやる優しい気持ち、そこから事故は減っていくのだ。
(国立公園指定 50周年記念誌『裏磐梯』に筆者が寄稿した内容を一部抜粋)

橋の上で逃げ場を失い轢かれた冬毛のテン |