裏磐梯に来たら,桧原湖でも,秋元湖でも構いません。ぜひ湖岸(もちろんコンクリートなどで護岸のされていない,あるいは急な崖ではない)に降りてみて下さい。場所としては,こたかもりキャンプ場周辺,ママキャンプ場周辺,金山遊歩道,早稲沢浜(以上桧原湖),秋元湖キャンプ場周辺(秋元湖)などがお勧めです。
ヤナギ類などの藪を抜けると,湿った茶色の土を淡く黄緑に染めるように小さな植物たちが広がり,所々水たまりがあり,その先に大きな湖が広がっている,そんな風景が広がります。これは,いわゆるエコトーン,つまり陸域生態系から水域生態系へなだらかに移り変わって行く場所です。本来ふつうにあったエコトーンも,人間による自然改変のため普段生活している場ではほとんど見られなくなりました。裏磐梯は,高山でも北海道の東部でもないのに,このような場所が当たり前のように残っている貴重な場所です。
足元に生えているものの中にはミズニラやタチモ,水たまりや浅瀬にはイトイバラモやヒロハノエビモ,エゾノヒルムシロ,セキショウモなどがあります。いずれも環境省や福島県が指定する絶滅危惧植物です。え,雑草のようにワサワサ生えているのに,と驚かれるかもしれませんが,そのことが,かえって裏磐梯の価値を証明しています。 |