裏磐梯エコツーリズムカレッジ開講
記念講演&シンポジウム『目からウロコのエコツーリズム』
● 概要 日時: 2005 年5月 14 日 13 時〜
場所:休暇村磐梯高原多目的ホール
主催:裏磐梯エコツーリズム推進協議会(事務局:北塩原村観光政策課)
●プログラム
1.開会( 13:30 )
2.裏磐梯エコツーリズムカレッジの開講に寄せて
高橋 伝 (北塩原村村長・裏磐梯エコツーリズム推進協議会会長)
上原裕雄 (環境省北関東自然保護事務所長)
佐久間恒一(福島県生活環境部環境共生領域自然保護グループ参事)
3.裏磐梯エコツーリズムカレッジについて
説明:千葉康人 (裏磐梯自然保護事務所レンジャー)
4.基調講演
「みんなが主役!地域が元気になるエコツーリズム ―宝探しは地域の個性と風土さがし」
講師 真板昭夫 (京都嵯峨芸術大学教授・日本エコツーリズム協会理事)
5.シンポジウム ( 15:30 )
「住民が担い手、エコツーリズム 〜裏磐梯エコツーリズムカレッジの意味」
パネラー 真板昭夫 (京都嵯峨芸術大学教授)
小保内敏幸(岩手県二戸市総務課長)
上原裕雄 (環境省北関東自然保護事務所長)
進行 伊藤延廣 (裏磐梯ビジターセンター長・磐梯人エコガイドの会会長)
6.閉会 ( 17:30 )
懇親会 18 : 00 〜 19 : 00
『国の光を「宝」と呼び、日本の宝探し、地域の宝探しをして、地域住民の手による観光地づくりをやろうじゃないか。それをエコツーリズムと呼ぼう。』
真板氏基調講演より抜粋
■ 開講式概要
2005 年5月 14 日休暇村磐梯高原多目的ホールにて、裏磐梯エコツーリズムカレッジの開講を記念する基調講演及びシンポジウム『目からウロコのエコツーリズム』が、盛況の内に開催されました。当日は、およそ 100 人近い人が集まり、京都嵯峨芸術大学教授の真板昭夫氏による情熱溢れる基調講演「みんなが主役!元気な地域づくりとエコツーリズム」と岩手県二戸市総務課長小保内敏幸氏を迎えた、シンポジウム「住民が担い手、エコツーリズム」に耳を傾けました。
司会進行は、カレッジを運営する裏磐梯エコツーリズム推進協議会の事務局である北塩原村観光政策課により、進められました。
■ 開会挨拶
開会の挨拶には、裏磐梯エコツーリズム推進協議会会長である北塩原村長高橋伝氏、また環境省自然環境局北関東地区自然保護事務所長の上原裕雄氏、福島県自然保護グループ参事佐久間恒一氏にお言葉を頂きました。高橋村長からは、「カレッジ開催を契機に新たなニーズへの的確な対応、観光及び地域の振興へと発展する、新たな観光地としての発信を目指す」という抱負が語られ、上原所長より、「カレッジの一番のねらいは、地域の魅力を再発見し外へ向かって発信することを通して、地域の人たちが裏磐梯への誇りや愛着を持つことである。その誇りは来訪客を招く原動力となり、地域の活性化、保全と活用につながるものである」とカレッジの目的及び目標が語られました。そして、佐久間参事からは、「カレッジを通して新たな資源の掘り起こしが行われ、活動が定着、推進され、裏磐梯が先導的なモデルケースとなることを期待する」とカレッジへの期待が述べられました。
■ 基調講演「みんなが主役!元気な地域づくりとエコツーリズム」
基調講演では、真板昭夫氏にエコツーリズムは地域づくりとどう関わりがあるのか、日本各地で地域づくりを行ってきた豊富なご経験を交えて、お話を頂きました。
「国の光を観る」
従来の観光客のニーズに合わせる見世物興業的な観光ではなく、「国の光を観る」という本来の観光の姿に戻していく必要がある。地域づくりの中から自分たちが自慢でき、それに感激する観光客を増やしていく、戦略こそ、これからの観光のあるべき姿である。そのための地域づくりが宝探しであり、エコツーリズムなのです。宝探しとは、国の光を宝と呼び、宝を発掘・再発見し、その宝を地域で共有し、活用することで、外へ向かって発信する。地域住民の手による観光地づくりへとつなげていく活動です。
エコツーリズムの最終目標は郷土意識の育成
宝探しから地域づくりへと如何に発展させていくか、沖縄県南大東島や徳島県美郷村における宝探しの事例紹介を交えてご紹介頂きました。
最後に、エコツーリズムの最終目標は郷土意識の育成であり、その推進に必要な地域住民、行政、観光客、旅行業者、研究者の5つの立場の参加と連携が重要です。そして裏磐梯における今後の取り組みとして、季節ごとの体験や見所を紹介する四季暦(フェノロジーカレンダー)の作成や環境保全型新商品の開発、ルールづくりなど、宝を共有し、活かし、守り、伝える取り組みのご提案を頂きました。
■ シンポジウム「住民が担い手、エコツーリズム」
宝探しの先進地二戸市の小保内課長より平成4年から取り組んでいる宝を生かしたまちづくりについて発表頂き、パネラーに真板氏、上原氏を交え、裏磐梯ビジターセンター長・伊藤氏をコーディネーターとして、協議を行い、会場からの質疑に応えました。
宝を生かしたまちづくり
二戸市では、活動は市民と行政の半々で構成されるまちづくり推進委員により進められ、2年を1期として宝探しを行ってきました。1期は地域に入りヒアリングや現地調査、文献調査、アンケート調査を行い、宝を探しました。2期目は1期目で得られた宝を冊子にまとめ、地域を9地区 10 ゾーンに分け、 28 のプロジェクトをつくりました。3期目は宝案内板を設置しフェノロジーマップと対応させました。4期は、新たな宝の調査を行い、地域情報センターという窓口を設けました。5期目は、まちづくり条例を制定、様々な大会を受け入れました。6期目は、新幹線の開通に伴い、「二戸市物語」という冊子をまとめ、全戸に配布しました。7期目はろうそくで道を照らす「ホタル明かり」などの様々な催しを行ったり、新商品の開発、販売を行いました。
今後は無農薬栽培の雑穀と温泉、森林浴などを取り入れた「メディカルグリーンツーリズム」に力を入れたい。なんといっても住民のパワーが 14 年の活動を支えてきました。
地域に入ったヒアリング活動とミニコミ誌の発行
質疑では、二戸市における宝探しの活動に対する具体的な内容に関する質問に、地道なヒアリング活動から宝を共有するためのミニコミ誌の発行などのお話が挙げられ、裏磐梯での宝探しについて、宝を共有するフェノロジーカレンダーやガイドブックの制作などが提案されました。
五色沼遊歩道における利用の集中と自然保護
また、ハイシーズンにおける五色沼遊歩道利用の集中と自然保護とどうバランスをとったらよいか、という質問に上原氏より、「規制するのではなく、地域の中でのコンセンサスから出発するべき」というご意見を頂き、真板氏より「住民が参加し理解を深めルールづくりを行っては」というご提案を頂きました。
最終的な目標を見据えた長期的なアクションプランの必要性
最後に、裏磐梯エコツーリズム推進協議会の最終的な目標は何か、という質問に対して、伊藤氏より「住民とキャッチボールをしながら皆で考えていく」、上原氏より「地域の保全と活性化、これに向かって住民参加で話し合いを重ねることが重要」、真板氏より「3年後、5年後という具体的な長期アクションプランを計画してはどうか」というご意見をいただきました。