記念講演&シンポジウム『目からウロコのエコツーリズム』
記録集
●概要 日時:2005年5月14日13時?
場所:休暇村磐梯高原多目的ホール
主催:裏磐梯エコツーリズム推進協議会(事務局:北塩原村観光政策課)
●プログラム
1.開会( 13:30)
2.裏磐梯エコツーリズムカレッジの開講に寄せて
高橋 伝 (北塩原村村長・裏磐梯エコツーリズム推進協議会会長)
上原裕雄 (環境省北関東自然保護事務所長)
佐久間恒一(福島県生活環境部環境共生領域自然保護グループ参事)
3.裏磐梯エコツーリズムカレッジについて
説明:千葉康人 (裏磐梯自然保護事務所レンジャー)
4.基調講演
「みんなが主役!地域が元気になるエコツーリズム ―宝探しは地域の個性と風土さがし」
講師 真板昭夫 (京都嵯峨芸術大学教授・日本エコツーリズム協会理事)
5.シンポジウム ( 15:30)
「住民が担い手、エコツーリズム 〜裏磐梯エコツーリズムカレッジの意味」
パネラー 真板昭夫 (京都嵯峨芸術大学教授)
小保内敏幸(岩手県二戸市総務課長)
上原裕雄 (環境省北関東自然保護事務所長)
進行 伊藤延廣 (裏磐梯ビジターセンター長・磐梯人エコガイドの会会長)
6. 閉会 ( 17:30 )
懇親会 18 : 00 〜 19 : 00
■開講式概要
2005年5月14日休暇村磐梯高原多目的ホールにて、裏磐梯エコツーリズムカレッジの開講を記念する基調講演及びシンポジウム『目からウロコのエコツーリズム』が、盛況の内に開催されました。当日は、およそ100人近い人が集まり、京都嵯峨芸術大学教授の真板昭夫氏による、基調講演「みんなが主役!元気な地域づくりとエコツーリズム」、そして岩手県二戸市より小保内敏幸氏を迎え、シンポジウム「住民が担い手、エコツーリズム」に耳を傾けました。
司会進行は、カレッジを運営する裏磐梯エコツーリズム推進協議会の事務局である北塩原村観光政策課により、進められました。
■開会挨拶
開会の挨拶には、裏磐梯エコツーリズム推進協議会会長である北塩原村長高橋伝氏、また環境省自然環境局北関東地区自然保護事務所長の上原裕雄氏、福島県自然保護グループ参事佐久間恒一氏にお言葉を頂きました。高橋村長からは、「カレッジ開催を契機に新たなニーズへの的確な対応、観光及び地域の振興へと発展する、新たな観光地としての発信を目指す」という抱負が語られ、上原所長より、「カレッジの一番のねらいは、地域の魅力を再発見し外へ向かって発信することを通して、地域の人たちが裏磐梯への誇りや愛着を持つことである。その誇りは来訪客を招く原動力となり、地域の活性化、保全と活用につながるものである」とカレッジの目的及び目標が語られました。そして、佐久間参事からは、「カレッジを通して新たな資源の掘り起こしが行われ、活動が定着、推進され、裏磐梯が先導的なモデルケースとなることを期待する」とカレッジへの期待が述べられました。
基調講演「みんなが主役!元気な地域づくりとエコツーリズム」
真板昭夫氏(京都嵯峨芸術大学教授・ NPO法人日本エコツーリズム協会理事)
「国の光を観る」
まず、「観光」とは「国の光を観る」と書きます。国の外の人に向かって自慢できるものすなわち「光」を観せつける。そして感激してもらい、そこに住んでいる人たちをうらやましく思い、地域とのつきあいが始まることを、本来観光と言います。
ともすると、観光とはお客さんのニーズに応えることだと思っている人がいますが、私はそれは本来の観光の姿ではないと考えています。すなわち地域の人が自ら住んでいることを誇りに思うこと無しに、そこに人々が惹かれるわけがないのです。
昭和 30年代、見世物興業イコール観光となり、本来の姿を失っていきました。各市町村から観光振興を軸に地域興しをしてくれと頼まれますが、その時に必ず言われるのが、「今いったい何がお客さんに喜ばれるのか」です。お客さんが喜ぶ商品を作り、施設を造り、地元にお金を落とさせたい、と言います。では、地域の人たちがどこまで観光で生きていこうと思っているのか聞いてみると、私は観光によって生きるのは非常に迷惑だという人が多いのです。それは人の前でこびへつらい、見せたくない物を見せ、言いたくないことを語り、それによってお金をもらう、そんな屈辱的な生活はしたくないと、そう言います。
行政の考えと住民の考えが食い違っているのです。これでは地域はほろびます。むしろ本来の観光、すなわち光を観せるという原点に立ち戻って、地域づくりの中から自分たちが自慢でき、それに感激するお客さんを増やしていく、この戦略こそ、これからの観光のあるべき姿なのです。
しかし、問題があります。地域に住んでいる人が、どれだけ地域の光というものを知っているのか。どれくらい自分がこの地域に住んでいることを外の人に威張れるんだろう、あるいは誇れるんだろうか、ということを聞いてみると意外と少ない。
もう一つ問題があります。未来永劫残していきたい光を誰が守っていくのかという問題です。従来は研究者や権威のある人が守るというのが、中心でした。しかし、持続的に守っていくためには、その光と未来永劫つきあっていく地域の人たちが、その守り手にならないといけないのです。そのためには光を守ることにより、自分の生活を支えることにつながる必要があります。地域の文化や資源、歴史を守りながら、地域の経済の活性化につながることは何かと考えられました。 1970年代の終わりから1980年代の中頃にかけてのことです。
その中で出てきた一つの結論が観光です。「資源の保全」と「地域経済の活性化」と「観光という産業」の発展、この3つを同時に成り立たせる方法が「エコツーリズム」なのです。
エコツーリズムがスタート
エコツーリズムという考え方が、充分に広まっていない頃、従来の観光を否定するものだとか、自然を守るだけだとか、反発する人もいました。今も反発はあります。そんな時に出会ったのが二戸市なのです。国の光を「宝」と呼び、日本の宝探し、地域の宝探しをして、地域住民の手による観光地づくりをやろうじゃないか。それをエコツーリズムと呼ぼうと、そこから全てがスタートしたのです。
では、宝を探し、発見された宝を如何に活用し、エコツーリズムへと展開していくのか、宝探しの進め方について、スライドを交えてご紹介したいと思います。
テーマは<宝探しは地域の個性と風土探し>
「風土」という言葉は、二つの要素によって成り立っています。一つは風で、外から吹いてくる風は、中では気づかないことを教えてくれます。外から情報を持ってきたり、アイディアを運んでくれます。土は地面を固めます。外から入ってくる情報で栄養を蓄え、絶対にその地から逃げないで土着化させます。宝探しは2つを合わせていくことにより、けっしてノスタルジックに昔の物を探すのではなく、次の世代の子どもたちに伝えていく新しい物を作る、新しい風土探しでもあるのです。
エコツーリズムとは、自然資源や自然との関わりの中から生まれた文化、歴史の3つの要素がバランス良く調和のとれたしくみづくりなのです。
宝探しの5つのフレーム
ここで宝探しの5つのフレームとしまして、宝の種類を紹介します。1つ目は「自然の宝」です。これは動物や植物、風景など、私たちが未来永劫守っていきたいものであり、生き物の戸籍簿をつくるというものです。2つ目は「生活環境の宝」です。これは自然と共に暮らしてきた人々の生活の中から生まれた生きるための知恵です。お祭りや郷土料理などは、これに入ります。3つ目は「歴史・文化の宝」です。外との交流を通して変容してきた文化、先人の足跡をたどる歴史の宝です。先人の足跡をたどることは、未来への道程でもあります。4つ目は「産業の宝」です。これは地域の顔であり、外部世界への発信を表すものです。外に対して宝を象徴する目玉です。最後に5つ目の宝として「名人の宝」です。これは最初にして最後の大切な宝です。地域の知恵袋であり、1?4の宝が累積して現在も使われ生きているものがあるのです。
「宝探し」から「地域づくり」への展開
では、探した宝をどうやって地域の中で発展させていくか、これが次の5つの段階です。「宝を探す」地域固有の自然、歴史、文化、産業、人などの資源を地域住民自身が発掘・再発見する活動。「宝を磨く」発掘・再発見された宝を保存・伝承・発展させるための活動。「宝を誇る」宝の価値を認識し、地域の中で価値認識を共有するための活動。「宝を伝える」地域の外に向かって、宝を発信するための活動。「宝を興す」宝を活用して産業に結びつけるための活動。発掘された宝が、どの段階にあるのかを把握し、各段階へとステップアップを図る。5段階全てをクリアしていく宝もあるでしょうし、一つの段階で留まる宝もあるでしょう。
この発展を支える重要なポイントは、それに取り組む地域の姿勢にあります。1つは、多くの人が参加することです。2つ目は、公表を行い情報の共有を図ることです。これは宝探しの活動報告をミニコミ誌などに掲載し、配布するという活動などです。3つ目は、外の人が参加できる受け入れ体制を作ることです。これは、後ほどご紹介する美郷村での石積み修復プログラムなどがそうです。4つ目は、地域全体へのフィードバックを行うことです。宝探し発表会などを設け、関係者だけでなく多くの地域の方々にご参加頂き、地域で発掘された宝、そしてその活用方法などを発表し、情報を還元していくことです。
宝探しから地域づくりへと展開させるには、以上の4つの仕掛け作りが重要になります。そこが従来の観光と違うところです。
沖縄県南大東村の紹介
人が島に移り住んでから100年しか経っていない絶海の孤島です。島はおよそ 4800万年前にパプア・ニューギニア近辺で誕生した火山島が、隆起と沈降を繰り返しながら、フィリピン海プレートに乗って、現在の位置まで移動してきたと考えられています。隆起と沈降を繰り返す中で、輪状のサンゴ礁が島の周囲に形成、堆積が繰り返され、すかすかの石灰岩の島となったのです。石灰岩から成る島は、すかすかで穴だらけです。そのため、多くの池沼が散在し、鍾乳洞が発達している地底湖も存在します。
島は海底から 1500mもの高さに突出していると言われ、その表面30mだけが海面に顔を出しており、人が住んでいるというわけです。今でも1年間に7cm移動していると言われています。そのため、島にはいくつか裂け目があり、その一つがバリバリ岩と呼ばれています。このような裂け目は、戦時中陣地が造られたこともありました。この島は、永い地球の歴史と開拓という人間の歴史の2つの側面から語ることのできる貴重な島なのです。
開拓の歴史は自然破壊の歴史・サトウキビの歴史
開拓の歴史は、自然破壊の歴史・サトウキビの歴史でもありました。人々は入植後、島を覆い尽くしていたビロウの木を伐採し、サトウキビ栽培を始めました。サトウキビ栽培が盛んに行われるようになり、日本で唯一のサトウキビ列車が走りました。その面影を残すトロッコ跡が今でも残されており、開拓の歴史を語るポイントになっています。そんな人々の生活を支えたのが、ビロウの木でした。ビロウは容器や屋根など生活の中の様々な所で活用され、開拓者たちの生活を支えました。今では、伐採されてしまった多くの在来種を復活させようと森づくりなども行われています。
「現地寿司&あら汁」
今、島では新たな商品として釣った魚をその場で寿司にして食べる「現地寿司&あら汁」というプログラムを始めました。南大東では岸からマグロが釣れるんです。それをその場でさばき、甘辛い漬け汁で食べる島ずしにして食べる。マグロを釣る時は釣り糸を自転車につなぎ、引きが来たら、みんなで自転車を引っぱって揚げるという、南大東の「醍醐味と美味しさを体験」するプログラムです。これは南大東の魅力がぎっしり詰まっていて、島を誇り、興すという展開を表しています。
徳島県美郷村(現・吉野川市)
美郷村は正に観光でやられてしまっては困るという、急峻な山あいの過疎化の進んだ村でした。急な斜面には、耕地面積を増やすために石積みが斜面一面に積み上げられ、壮観な景色をつくっています。しかし村の人にとって、石積みとは急峻な土地で暮らす苦しさの象徴でもありました。そんな村で唯一の光は、ゲンジボタルでした。美郷村は、全国でも唯一全村をゲンジボタルの生息域として天然記念物に指定されている村なのです。天然記念物に指定された経緯は、小学校の子どもたちと先生による調査・研究、そして村の人による河川の清掃活動という村民が一体となってゲンジボタルを知ろう、守ろうとした結果だったのです。ここで住民から募った宝探し探検隊を中心に、宝探しを行ってきました。
ホタルカゴづくり
ホタルとの関わりが深いことを表す一つの宝に「ホタルカゴ」というものがあります。麦わらで作るため、今ではあまり見られなくなりました。これを子どもたちに伝えていこうと、ホタルカゴづくりを村内の小中学生や一般を対象に1回 500円で行っています。
石積み修復体験プログラム
また、村の人にとっては苦しさの象徴である石積みは、外から来る人にとっては美しい景観です。これこそ美郷の宝として活かせないかと考えました。そこで、宝を磨くと位置づけて、石積み修復体験プログラムを実施しました。石積み名人として、通称「そら」と呼ばれる高開地区に住んでいる高開さんを中心に始めました。これは景観保存のための活動でもあり、大学やボランティア団体などと連携してプログラムを実施していきました。当初は、景観保存、石積み技術の伝承ということで始めたんですが、その内これに関わっている人は皆、高開さんの地域を愛する気持ちや宝自慢に惚れていきました。このような人と人のつながりがこのプログラムを支え、美郷の石積みは国の文化的景観重要地域にも選ばれました。
石積みライトアップ
そして次に、宝を伝える活動として、石積みのライトアップを企画、実施しました。実施日は 12月中旬で、テーマは世界平和。斜面一面の石積みをライトアップするという壮大なイベントになりました。冬という人が来ない時期にやったイベントとして『 ふるさとイベント大賞「部門賞」 』を 受賞しました。
宝探しの意義
宝探しの意義とは、1つ目は資源の価値の再発見、外の風を利用しながら価値付けを行うこと。2つ目は独自の推進力となること、それから個性化の切り札として生かすこと、そして持続性を維持することです。そのためにも利害を超えて、地域住民間で共有しあおうとする作業として位置づけること、これらが宝探しの意義となります。
日常的な資源の価値の再発見と価値付け
あくまでこの作業は最初にして最終的な推進力
他に左右されない地域固有の価値として認めていくことへとつながっていくこと
地域個性化の切り札として生かせること
最大の課題である「持続性の維持」を地域社会の側に確保する道であること
「自分達が外の人々に自慢できる物は何か」を利害を超え地域住民間で共有しあおうとする作業であること
「宝」の利用方法
利用方法としてよくやりますが、地域を共有するために、ガイドブックや宝マップを作ります。いつどこに行けば何が見られるのかという一覧表にした宝暦(フェノロジーカレンダー)を作ります。年間を通じた宝暦と分布情報を宝マップとしてまとめるのも利用方法の一つです。
資源の分布情報を抽出
地域から見た価値と科学的価値の把握
各季節と関連させながら把握・整理
抽出された宝の価値を分かりやすく記述する事
何処に行けば触れ合えるのかという資源(宝)の分布情報を地図化すること
何時行くことによってそれは可能となるのかという、年間を通じた資源季節暦のまとめ
エコツーリズムによる最終目標
エコツーリズムの最終目標は郷土意識の育成です。すなわち、郷土を作っていく運動に参加する意識を育てることです。これは、とても時間のかかることで、二戸市は 10年、美山町も10年、それぞれステップを踏んで確実に発展してきました。
エコツーリズムの地域貢献としての効果は、価値を共有することによって資源の保全を図ること、消費者優先主義から本来の観光へと誘導すること、地域経済の活性化と地域雇用効果への貢献などが挙げられます。エコツーリズムによって左団扇ということは無いですが、地域を律する観光、自立観光と自律的観光という2つの考え方を基に、ベストセラーではなくロングセラーで地域の中で持続的に経済を活性化させていくことに役立ちます。
1.エコツーリズムは時間がかかる
2.エコツーリズムは郷土意識を醸成する
3.エコツーリズムの地域貢献としての効果
1)資源保全への意識の啓発
2)マスツーリズムの環境保全型への誘導効果
3)地域経済の活性化と、地域雇用効果
まとめ
従来のニーズ優先のツーリズムではない、地域で、仲間で宝を自慢し共有すること、地域の顔が見える観光であること、最大の最後の目的は自分を磨くということ。自分自身がその地域の光になるということであり、そのためには様々な人や機関と連携していくことが必要となります。宝探しは 20通りの連携とは、5角形の図のように、5者の5角形上、対角線上の連携のことを表します。対角線上の連携を強めていくことがエコツーリズムのクオリティを高めることにつながります。理想型は推進協議会などにこの5者が入っていることです。
見世物興業は従来型マスツーリズム
地域、仲間で、宝を自慢し共有する
地域の顔が見える観光が魅力的
宝探しは 20通りの連携で
推進に必要な5つの立場の参加と連携

裏磐梯におけるエコツーリズム推進への提案
裏磐梯のエコツーリズムの推進、今後の地域資源を管理して光を磨いていく中で、私からの提案事項を5つ紹介します。1つは裏磐梯版5角形の推進体制を意識し積極的に取り入れ、対角線を強めていくことです。2つ目は外から来るお客さんに今何が見られるのか、体験できるのかを説明するためにも、「磐梯山フェノロジーカレンダー」を作成する。作成を通して皆で情報を共有することが重要。
3つ目は、宝興しとしてエコツーリズムインダストリー化、すなわち環境保全型新商品の開発です。なんらかの形で資源の保全につながっていく商品をつくり、提供することによって、地域社会への参加、郷土を愛しているということを見せていくことに意味があります。郷土の顔や関わりが見えない商品は見世物と同じです。
4つ目は、「裏磐梯地域エコツーリズム推奨制度の設置とガイドライン」。これはいろいろな形があると思います。ガイドラインには、来訪客への注意事項、来訪者に宝探しの一員になってもらう、宝磨きの作業に参加してもらう、自然への接し方、楽しみ方などを伝えること、などが考えられます。
5つ目の裏磐梯エコツーリズムカレッジは、正に光を共有することです。孤立して家に住むのではなく、この地域、歴史に住み、住民が宝を守りながら、そこに生活することを確認しあう、そのための作業の第一歩がカレッジなのです。
●裏磐梯広域エコツーリズム推進体制の強化
裏磐梯版5角形の推進体制
●広域住民参加による「磐梯山フェノロジーカレンダー」の作成
●「宝興し」としての新展開
裏磐梯エコツーリズムインダストリー化へ→商品開発
●全国的動向を踏まえた「裏磐梯地域エコツーリズム推奨制度の設置とガイドライン」の作成
●地方大学、地域行政、 NPOとの連携によるエコツアーガイド養成システムの構築
裏磐梯エコツーリズムカレッジ開始
●エコツーガイドは風土のデザイナー
誇りを共有化する
シンポジウム「住民が担い手、エコツーリズム」
パネリスト: 真板昭夫氏(京都嵯峨芸術大学教授・NPO法人日本エコツーリズム協会理事)
小保内敏幸氏(岩手県二戸市総務課長)
上原裕雄氏(環境省自然環境局北関東地区自然保護事務所長)
コーディネーター:伊藤延廣氏(磐梯人エコガイドの会会長・裏磐梯ビジターセンター長)
−前半−(登壇者の発表)
■二戸市小保内課長さん<宝を生かしたまちづくり>
二戸市は、岩手県の内陸、一番北部に位置しております。二戸駅は平成 14年に完成し、岩手県北、青森県南、秋田の北東部 24市町村に利用してもらう目的で作られた。物産館では、24市町村の物産が買えるシステムを作っています。人口は現在28,000人弱ですが、来年1月合併すると33,000人になる予定です。産業は食肉のブロイラー大手が3社、他に葉タバコやリンゴ、雑穀などです。
観光の名所としては、県立公園である折爪岳、山腹から山頂までヒメボタルが生息し、7月中旬から後半にかけて山が一斉に光ります。馬仙峡の拝み岩で日本一大きい夫婦岩でもあります。文化庁で国の名勝に指定しようと動いています。二戸市は化石の宝庫であり、パレドパラドクシアという海辺を歩いていたほ乳類の化石が発掘されています。それから金田一温泉という温泉地には、ざしきわらしが出ると言われる部屋があり、そこは数年先まで予約でいっぱいだそうです。二戸城址の石垣は東北で一番古く、最近では直木賞作家の高橋克彦による「天を衝く」で取り上げられ、それによる観光客が増えました。また、日本一の不法投棄が行われた場所でもあります。全然二戸市を通らずに捨てられ、全く分からなかった。今は大変なお金をかけて自然を取り戻そうとしております。
宝探しのきっかけ
宝探しのきっかけは、平成4年に二戸市出身の環境省から市長として着任した市長が、自然と都会の便宜さを兼ね備えた町にするなら、魅力があるんじゃないかと宝探しを始めました。自然、文化、歴史、産業などの色々な宝に光を当てて、産業に結びつけていこうというのが狙いでした。平成4年から始まった宝探しの名称は「楽しく美しいまちづくり推進事業」でした。現在7期を迎え、推進委員も市の職員150名と住民150名になりました。地域の委員なので、その下に何か興す時は、ぐっと人が広がっていくといった体系になっております。
第1期(平成4?5年)
宝探し期でアンケートを実施し、約 7,400の回収がありました。先ほど真板先生は5つの宝の種類を紹介していましたが、二戸市ではこれに「要望」を加え6項目にしました。6項目に沿って斑を作り、アンケートを基に地域に入ってヒアリング調査や現地調査、文献調査をしました。調査結果については地域の方々とキャッチボールをして色々な意見をもらい、最後に地域全体へ発表しました。
第2期(平成6?7年)
1期の結果をまとめた冊子を作成し、全戸に配布、とても大きな反響が得られました。地域によって様々な特性があったので、地域を9地区 10ゾーンに分け、28プロジェクトをつくりました。
第3期
宝の案内板の設置。宝を説明する案内板であり、9地区にそれぞれあります。フェノロジーマップを見ながら誘導板をたどって宝まで行くというしくみをつくりました。ツアーコースも設定しました。
第4期
あらたな宝の調査をしました。宝はまだまだ発掘され今回配布したパンフレットにまとめました。
第3期に設置した案内板は、実はどこからスタートすれば良いか分からなかった。シビックセンター1階の地域情報センターを窓口として、ここで宝を調べて地図をもらいスタートするという仕組みをつくりました。
第5期
まちづくり条例を制定し、市民全体が宝を誇りにし大事にするということを掲げました。この時、巨樹巨木の全国フォーラムやヘリテージの森調査、うるおいのあるまちづくりシンポジウム、建設省のカントリーウォークロードなどの全国調査で色々な先生方にご指導を受け、宝の磨き方や大事にする方法などを習いました。
第6期
新幹線の開通にともない、市民の誰もがボランティアガイドになることができるよう、二戸市の歴史や文化などについてまとめた「二戸市物語」という冊子を各戸に配布しました。
全国こどもサミットの実施
民家での地元の料理の提供
駅弁の開発、販売
第7期
ホタル明かり
それまでは県北一の花火大会を行っていたが、予算も無いし、不景気で寄付も集まらないので、ホタル明かりを行いました。実施のための予算を委員から1万円ずつ集めました。ろうそくの軸は廃棄物を利用して作り、たった 10日間でこの事業を行いました。ろうそくの明かりの下、ジャズを聴いたりと、好評でした。
3 Kmの「のれん街道」
日展の入選書家が市内に2人おり、その方達にお願いして書いてもらった。
雑穀→無農薬栽培→「つるっこまんま」として販売
近年雑穀がアトピーなどに良いと言われるようになったのに目を付け、初代推進委員の自然班長さんのたかむらさんが無農薬栽培の雑穀を「つるっこまんま」として販売を始めました。二戸市は WHOで胃ガンの少ない特異な地域として認められており、その要因は食材にありと言われています。それを基に作ったのが「つるっこまんま」です。雑穀を使った五穀ラーメンとか冷麺などです。年間10万食売れるのはラーメンです。
草原の風・星まつり
一番奥に草原があり、そこの集落は過疎化進み盆踊りもできないという状況だった。これを何とかしようと、草原をテーマにモンゴルの風景とし、モンゴルの人も呼び、郷土の料理を紹介しあうなどのイベント「星まつり」を行った。これにより、その時期には集落に帰ってくる人が増えました。
アドフトトイレ
地域の公衆トイレですが、作ったのは市、土地は県、トイレットペーパーや掃除・管理は住民で行っています。住民が一緒に関わっているため、皆大事に使います。市町村の中で一番きれいなトイレです。
折爪岳に清水による水飲み場の設置
町中で南部美人の仕込み水を提供している。
今後は雑穀、無農薬栽培を活用し「胃がんの少ない特異な地域」をアピールし「メディカルグリーンツーリズム」に力を入れ、お医者さんのいる温泉、ホタル浴や森林浴などを取り入れていきたい。なんといっても住民のパワーが活動を支えているのが現状です。環境を取り戻そうと花火大会ではなくホタル明かりにしたり、川の調査や有機栽培などに取り組んでいます。
■伊藤さんより
小保内さんの発表の中から、観光客向けという言葉が聞こえない。地域とのキャッチボールや苦情処理を「要望」として宝探しの6つのフレームに組み込むなど、地元をきちんと取り込んだ活動をしていますね。
■上原所長より −環境省という立場から−
国立公園のレンジャーになりたくて環境省に入り、最初に赴任したのは北海道の阿寒国立公園でした。その後各地の国立公園を転々とし、富山県や国土庁などへ出向もしました。4年前にはインドネシアへ JICAの技術士として行きました。様々な局面で様々な仕事をし、考え方に幅が広がり、国立公園でいろいろなことが出来ると思いました。国立公園は昭和9年に最初の国立公園が指定され現在28ヵ所となり、昨年最初の年から70周年を迎えました。一番大きい国立公園は大雪山国立公園です。磐梯朝日国立公園は昭和25年に17番目に指定され、陸域では全国で3番目に大きい国立公園です。
国立公園の目的<保護と利用>
国立公園は、自然公園法という法律のもとに管理されています。その法律の中で国立公園の目的に保護と利用が掲げられています。日本では土地の所有者に関係なく国立公園の線引きが行われました。公園内には個人の所有地も含まれています。これを「地域性」と言います。アメリカなどでは、内務省の所有地を国立公園として指定しているため、内務省が保護するためのルールなど全てを決定することができます。しかし、日本では「地域性」のため、誰が守っていくのかが課題となっています。守っていくのは地域住民です。誇りを持ち、持続的に守って活用していくこと、エコツーリズムは、正に自然公園法で定めている保護と利用を具体化する鍵なのです。環境省は具体化していく活動のお手伝いをしていきたい。
■伊藤さん自己紹介
私は6年前の 1999年、トレッキングフェスティバルの基調講演で真板さんの西表島におけるエコツーリズムの事例のお話を聞いたことがきっかけでした。その頃、私はペンション経営をやめてガイドをしていました。エコツーリズムとはガイドツアーが定着すればいいことなんだと思っていました。ところが、真板さんらは実行委員会で宝探しをやろうと持ちかけてきました。正直、その頃の私にはまどろっこしいと感じました。裏磐梯の貴重さなどは、ある程度ガイドをしていて知っていましたので、早くツアーの担い手であるガイドを養成して売っていこうよ、と思ったわけです。しかし、真板さんは宝探しの必要性にこだわりました。それに私も付いて歩き回りましたが、諸般の事情で実行委員会は中断されてしまいました。
エコツーリズムはガイド養成だけではない
それから、私はエコツーリズムに対する外の風に当たり、エコツーリズムはガイド養成だけではない、と考えるようになりました。やはり、一部のガイドや事業者だけが稼げばいいのではなく、そこに住む地域の人が地域を誇りに思わなければ、外の人はどう感じるだろうか。何も無いよと言われてしまえば、何も得られないまま来訪者は帰ってしまう。それでは観光による持続的な経済効果は得られない。自分が感動できなければ他者に感動を与えることはできない。住民1人1人が宝を再認識し、共有する場が、カレッジなのだと思います。
■真板先生より
守るべき自然として認められてきた身近な自然
昨今、守るべき自然の考え方、大事にする対象が変わってきている。以前、国立公園とは雄大な自然を守るという、国の意向を見せつけるものだった。しかし、今は人と自然との関わりから生まれた身近な自然、及び人の営みも含む景観も、守るべき対象と認められてきた。いわゆる里地・里山である。人々の生活や営みから生まれた身近な自然を守るためには、地域の人と自然との関わりを残すということであり、その生活、地域を見せる、誇るということが重要である。
■伊藤さん
モデル事業の対象地区は、「豊かな自然の中での取り組み」と「多くの来訪者が訪れる観光地での取り組み」、「里地里山の身近な自然、地域の産業や生活文化を活用した取り組み」の3つに分類されています。対象地区に里地里山が含まれた経緯について上原さん、お願いします。
■上原さん
今、自然が荒れてきているのは、どこなのか。それは過疎化が進み、人の手が入らなくなり放置されるようになった場所などが挙げられます。生物多様性の概念が広がり、多様な関わりが多様な環境を生み出すことに理解が深まってきました。エコツーリズムをうまく取り入れ、カレッジで裏磐梯独自の特徴を見直し、運営していきながら、エコツーリズムの定着をねらいとしています。
−後半−(質疑応答)
伊藤さん:宝に磨きをかけるための活動にはどんなものがありますか?
小保内さんA:雑穀を取り上げて話しますと、岩手県は米のとれないさみしい感じの所ですが、江戸時代の頃から粟で 140種、稗で70種も植えていたという記録が残っています。これがキーワードでした。周りに畑があまり無い里地里山で、有機栽培を始めました。東京都と安全食品として提携し、東京都から安全で貴重な食品としてアピール、発信してもらいました。それが大きな反響を呼び、「ためしてガッテン」や「生活ホップ」、「食べ物新世紀」などで取り上げられ、生産が間に合わない状況になりました。手作業なのであまり多くを生産できないのですが、これからもっと発展させていきたい。
伊藤さん:裏磐梯で宝を磨くとは?
真板さん A: 宝を共有する誓いをたてる
やり方はそれぞれの宝や地域によって色々ありますが、まず宝を共有する誓いをたてることが大切です。共有とは、フェノロジーカレンダーやガイドブックなどを作る、という誓いです。西表島は宝をまとめた「ヤマナカーラスナピトゥ」というガイドブックを作りました。最初、 1000部作ったのですが、まず購入したのは島の人たちでした。島の宝を共有したんですね。その後増刷し、島の人たちが来訪者にその本を売り、宝を自慢し、伝えていったのです。ガイドブックは2500円で販売され、売った人に500円、作った西表島エコツーリズム協会に2000円落ちる仕組みになっています。まずは、「エコツーリズム宝自慢!」という本をつくる誓いをたて、共有してはどうでしょうか。
会場からの質問
Q1:二戸市で宝さがしは具体的にどうやったのか?
また、アンケートだけで市民の本音を引きだせるのか?
小保内さんA:アンケート回収は47%ぐらいでしたが、その回答に対して市役所の職員が小さいことまで取り上げて、地域をまわり調べ、地域へ報告した。ひょっとすると日本一かも?と調べたらそうだったので新聞や広報に載せたら、それだったらうちにもあるよ!と広まったのが第2回目のパンフレットの出版につながった。
Q2:住民参加の意識を高めるには?
真板さん A: 地域に入ったヒアリングの実施
いきなりアンケートを実施しても、協力は得られない。 28,000人の市町村で回収率が47%は高い方です。2年を1期とし宝さがし委員会を市民25名、行政25の50名で発足、自然、歴史、文化など各斑に分かれて地域住民ヒアリングを行った。まずはヒアリング対象者となる、詳しい人をリストアップしました。ヒアリング内容は、録音テープ、カメラ、地図、筆記用具を持って記録しました。その結果をヒアリング集にまとめ配布しました。そうすると各班ごとに競い合うんですね。これが第1段階です。次に第2段階として、ミニコミ紙を作成し、宝探しの活動を地域に発信、各戸に配布しました。そうすると、「うちにもこんな宝がある」とか「うちの方が元祖だ」などと小保内さんの所に問い合わせが入りました。住民の関心が集まった所で、アンケートを実施したのです。アンケートは、わら半紙に刷るという体裁のあまり良くないものでしたし、「あなたにとっての宝とは何ですか」などの質問や、裏面には地図にポイントを落とさせるなど、ボリュームのあるアンケートだったにもかかわらず、回答率が47%というのは、正に高い値なのです。この活動を1冊にまとめるまでに4年の歳月を費やしています。
伊藤さん : 出来る事からやり始める
曽原では、ちまきを作ろう!という企画が地域の人たちの中から興り、皆で笹の葉を拾い集めています。参加資格は 10枚のきれいな笹の葉を持って来ることです。そんな事も宝になるかもしれません。まず小さなグループからはじめるのもいいんじゃないかと思います。今回もスタッフとして参加してくれた住民の方もいます。そんな参加から全体に広がっていくと良いですね。
Q3:夏のシーズンの五色沼遊歩道への人口集中と自然負荷について
どうバランスをとったらよいか?
上原さん A: 地域の中でのコンセンサスが重要
まず、考えられる方法に規制することがありますが、規制もできない状況。規制するためには、様々な問題が発生してしまう。3年前に利用調整区域をつくって法律改正をしようとしたが、進んでいない。やはりこれは規制ではなく、地域の中でのコンセンサスから出発になるのではないでしょうか。節度のなさ、マナーの問題から変えていき、コンセンサスを得るのが良いと思います。
真板先生 A: 皆でどうしたらもっと良くなるのかを考えてルールづくり
規制はキャリングキャパシティの問題も関わってくるので、非常に難しい。他地域の事例としては、タスマニアの洞窟での話がります。その地域には、 100個もの洞窟がありますが、その内の99個を守るために、1つの洞窟を犠牲にし、観光客へ公開し、教育の場として利用している。日本では、規制やガイドラインというと「○○をしてはいけない」となります。その中に「理解と参加」が抜けているんです。外国の例を見ると、「こうしたらもっと良くなるからこうしましょう」という促し、提案型になっています。五色沼でも皆でどうしたらもっと良くなるのかを考えて、理解を深めルールづくりをしてみてはどうでしょうか。
伊藤さん 理解と参加ということ形で、実際にミニ観察会などで試してみたい。バランスをとるのも重要で、NOではなく別の形で誘導できるよう皆で考えていきたい。
Q4:二戸市のまちづくり条例は小保内さんがいたからできたのですか?
小保内さんA: 市民の宝への理解とやる気を促すことが目的
条例を作った目的は2つありました。1つは市の基本条例とすることで市民に理解してもらうこと、またそれが二戸市の宝の考え方だと、農水省などに示そうとしたことです。そして2つ目は、宝を活かしている人を表彰しよう、というものでした。宝を市として認定すれば、それまで自費で宝を守ったり、活かす活動に対して市から補助金を出すことができます。つまり、認定により市としての手だてをつくろうというものでした。また、補助金により市民のやる気を喚起するという狙いもありました。
Q5:メディカルグリーンツーリズムについて詳しく聞かせて下さい。
小保内さんA:雑穀や有機栽培がアトピー患者に良いと言われています。それに温泉(薬湯)を付けて、アトピーが治るわけではないですが、アトピーの症状を和らげる、といことでメディカルグリーンツーリズムと言っているわけです。医者によるケアも含め、一生の付き合いとして長い目でずっと続けて欲しいと勧めています。
Q6:裏磐梯エコツーリズム推進協議会の最終的な目標は?
伊藤さん 推進協議会を今年3月に発足し、エコツーリズムカレッジの成功と定着が現在の目標とするところですが、最終的な目標は住民とキャッチボールをしながら考えていくことだと思います。
上原さん A:地域が保全され活性化されること、それに向かってどのようにやっていくかは皆で考えることが重要です。住民参加により話し合いを重ねる、この過程がとても重要なのだと思います。
真板先生 A: 具体的なアクションプランを考える
答えがないですね。エコツーリズムの目指す2つのこと「宝の再発見と共有」、「郷土意識の育成」と同じだと思います。まずは、3年、5年といった長期のアクションプランを個人・共通の2種類を計画してみるのが良いと思います。例えば、個人プランでは3年間でお客さん 100人に地域の宝を伝えよう、共通プランでは3年間で宝をまとめた本を作りましょう、などです。また、5年後には、個人プランではお客さんを巻き込んで何かをやろう、共通プランではエコツーリズム関係以外の人とも村の素晴らしさを確認しあうお祭り、イベントなどを催すなど、こういう目標がそれぞれあると思います。具体的な行動計画をつくり、その中で考え方などの抽象的な部分を書くといのがいいと思います。
伊藤さん エコツーリズムの目的と環境省がエコツーリズムを導入した目的にあるように、資源の維持と同時に地域の人たちが活力ある生活を営む、そんな社会をつくる、という大きな方向性は間違えないようにする。後は具体的に個々が何をやるか、これは皆と話をしながらやっていきたい。まずはカレッジを皆と共有するのが目標だと思います。
■最後に皆さんからアドバイス
小保内さん 宝はどこの地域にもある
宝はどこの地域にもあるはずです。ホタル明かりのろうそくは5日で 500個作りました。市は一銭も払っていません。宝を掘り起こして、時間をかけて住民とキャッチボールをして進めて下さい。
上原さん 研究者データによる科学的根拠を押さえ、地域の良さを伝える
エコツーリズムはエコノミーのツーリズムですか?という人がいます。浸透するまでには時間がかかりますが、じっくり構えてやってほしいと思います。ただ、本物を伝えるというのには何か、研究データなど科学的なバックボーンが必要だと思います。研究者のネットワークをつくりながら、科学的根拠を押さえ、そして地域の良さを伝えることができるよう期待しています。
真板先生 地域づくりが国を興す
裏磐梯は今回のモデル地区に、たまたま選ばれたのではなく必然だったと思います。宝探しは受ける所と受けない所とあります。バブルの余波を使い切って危機感を感じている所に需要があります。裏磐梯もそんな状況にあると言えるでしょう。自分たちでお客さんをつくっていく、新しい地域像を国際化の中で作っていかないと生き残っていけません。地域づくりが国を興すのです、そして地域全体の価値を高めるのです。ぜひ、皆さんにここで国を興してもらいたいです。
伊藤さん カレッジは単なるガイド養成ではない
地域の宝を見直し、共有していく場として、多くの人に参加してもらいたいと思います。